「体を知る」

33期生 関口大二郎
 


 井本整体の道場に通い始めて8か月が経とうとしています。その間に教えていただいたたくさんの技術や知識は、私のこれまでの生活を一新させてくれる驚くべきことばかりです。積み重ねてこられた経験を惜しげなくご教授してくださる講師の皆様や指導者の先生方、根気強く練習にお付き合いくださる諸先輩方には、心から感謝する次第です。


 道場に入門したころ、私は自分の体に対して特に違和感を覚えておらず、“風邪もひかない健康体”だと思っていました。たとえ風邪をひきそうになっても、栄養ドリンクで風邪薬を無理やり飲み込み、それで治ったからすごい!などと自慢げにしていたこともあります。しかし道場に通うようになると、それはあまりに鈍い、感受性のとぼしい体だったことを思い知りました。


 体操をやってみても体が思うように動かず、操法を練習すれば玉のような汗をかくばかり。「腰を入れましょう」といわれても肩に力を入れて体が棒のように固くなっていました。「腰を入れる」という言葉は知っていても、実際のところはその使い方や意味すら分かっていなかったのです。そのような感受性の鈍い体は、私の子供たちにも影響を与えていました。


 昨冬、4歳になる娘が中耳炎を繰り返し、耳鼻科通いを続けていました。病院では薬を処方されましたがそれでも改善せず、耳の中にたまった膿をとるために手術をしなければならないと診断をされました。4歳の子供に手術をさせるのは心が痛み、道場で講師の先生にご相談させていただいたところ、「生活習慣の問題」をご指摘いただきました。

 当時、生活習慣の重要性などまるで気にしていなかった私は、娘の夕食も親に合わせて遅い時間にとらせており、食べながら寝てしまうというような毎日を送らせていました。私が気づかないような生活習慣の乱れに敏感な子供の体は反応していたのです。とにかく治してあげたい一心で、夕食を早い時間にとるようにすると、それまで繰り返した中耳炎がピタリと治まり、それ以降一度もかからなくなったのです。その時、「整体には何かあるぞ」とその力を感じ始めました。


 さらに梅雨も間近に迫り、じめじめとした日が続いた頃、今度は自分の体に初めての変化がありました。突如、左耳に金属音のような甲高い耳鳴りがはじまり、四六時中その音にさいなまされることなったのです。静かなところにいると金属音が響き、電車に乗っていると周囲の喧騒が二重三重にも聞こえてきて頭痛を起こしてしまいます。どうしたものかと悩んでいたその時、同期の一人がポツリともらしたひと言が僕の心に響きました。

「自分の体は自分で治す」

 この耳鳴りをきっかけに自分の体を振り返ってみよう、と決意しました。この耳鳴りを治すことができれば少しでも自信になるのではないかと。まだまだ自分の体を客観的にみるまでには至っていない私は、先生に話を伺い自分の体に必要な体操を教えていただきました。それからは毎日朝昼晩、教えていただいた体操と自分がこれだと思う体操を組み合わせて取り組みました。

 おそらく入門をしてはじめて必死なった日々だったでしょう。「頸椎4番」「胸椎5番」「胸椎…」。とにかく的だけを考えて体操に取り組む毎日。そんな日が2週間も続いたある日、耳鳴りが徐々に小さくなっていることに気が付きました。「これは!?」と思い、さらにしばらく体操を続けていくにつれ耳鳴りがすっかりと治まったのです。


 実際のところ、いろいろな体操をやっていたので、何が効いていたのかは自分では分かりません。季節のものだったのかもしれません。しかし必死に体操に取り組んだ日々が体を変えてくれたのだろう、という実感が芽生えてきました。


 入門して8か月が経ち、自分の体がどのように動き、動かないか、その違いをようやく少しずつ感じることができるようになってきたような気がします。そこからどうすれば体をよい方向にもっていくことができるか? 

 「体を知る」

 それが今の自分の目標です。


 東京セミナーではよい睡眠をとるために、自分の体を知ることに着目しています。ご参加いただく皆様が、ご自身の体について学ぶよい機会になれれば幸いです。






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